矯正歯科コラム
当院では、「インビザライン」によるマウスピース矯正を行っています。
マウスピース矯正・ワイヤー矯正などの矯正方法に関わらず、矯正治療で欠かせない要素が「保定(ほてい)」です。
保定期間中はリテーナーと呼ばれる保定装置を用い、保定を進めていきます。
今回は、歯の矯正に欠かせない「保定」のお話です。
保定とは、矯正治療で整えた歯並び(新しい歯並び)を身体に馴染ませ、歯の後戻りを防ぐための処置です。
マウスピース・ワイヤー装置などを用いて歯並びを整える矯正治療が終了した後は、間を置かず、保定期間に入ります。
保定期間中は、リテーナーと呼ばれる保定装置を装着していただきます。
インビザラインでは、マウスピースタイプのリテーナーを用いることが多いです。
マウスピースタイプのほか、ワイヤータイプやプレートタイプなどのリテーナーもあります。
一般的に、保定では取り外し式のリテーナーを用いることが多いです。取り外し式のほか、歯の裏側にワイヤーを接着するものなど、歯並びの状態によっては固定式のリテーナーを用いるケースも。
保定には、矯正治療にかかったのと同じくらいの期間がかかることが多いです。
矯正治療に1年半かかったときは、保定期間は1年半程度、矯正に2年かかった場合は、保定期間は2年ほどになります。
保定では、1日20時間以上、リテーナーを装着していただきます。
1日20時間以上、リテーナーを装着し、歯並びが安定してきましたら、様子を見ながら1日18時間、1日16時間、というように徐々に装着時間を減らしていきます。
保定期間の終盤に近づき、リテーナーを装着しなくても歯の大きな後戻りが見られなくなりましたら、保定を終了します。
保定が終わった後は、リテーナーの装着は義務ではありません。義務ではありませんが、生きている間は、一生、歯の後戻りが起きる可能性があります。
{一生、歯の後戻りが起きる可能性がある理由}
人間の脳、そして、歯を包む歯根膜は乱れていた頃の悪い歯並びをずっと記憶していると考えられています。
乱れていた頃の歯並びがインプットされているため、脳や歯根膜が「あれ?いつもの(乱れた)歯並びじゃない… 戻さなきゃ!」と歯を元の位置に戻そうとして、後戻りが起きるとされています(※)。
(※)現時点での推論です。
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上記の理由により、一生、歯の後戻りが起きる可能性があるため、保定終了後も、ご自身で自発的に継続してリテーナーを装着していただくのが望ましいです。
保定終了後の自発的なリテーナーの装着は、1日30分程度、1週間に数時間程でもかまいません。少しの時間の装着でもかまいませんが、リテーナーの装着時間が長いほど、歯並びを維持しやすくなります。
矯正中、マウスピースの装着によるいつもと違う違和感など、歯の矯正中は何かとストレスを感じる場面も多いかと思います。
ストレスと上手く付き合い、やっと矯正が終わったと思ったら、すぐに保定が始まりリテーナーを装着しなければならない… 溜息がでてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
溜息がでてしまうようなお気持ちは、とてもよくわかります。
お気持ちは本当によくわかるのですが、矯正治療には保定が欠かせません。保定を行うことで、矯正で整えた歯並びの維持につながり、歯の後戻りを防ぎやすくなります。
矯正で得た歯並びを維持するため、保定期間中は定められた時間、リテーナーを装着しましょう。
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インビザラインは透明&薄いマウスピースで目立ちにくい点が特長です。目立ちにくさに加え、痛みが少ない、いつもどおりのお食事を楽しめるなど、インビザラインにはたくさんのメリットがあります。
{さらに小さくなった「iTero ルミナ」で歯型取りの負担を軽減}
小型の3Dデジタルスキャナー「iTero ルミナ」により、お子様や女性など、小さなお口の方でも無理なく口腔内の撮影が可能に。歯型取りの際の負担を軽減しています。
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歯並びの乱れでお悩みの方、インビザラインに関するご質問がある方はお気軽にご相談ください。相談費は無料です。
白山歯科クリニック院長
田賀 紀広