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矯正歯科コラム

マウスピース矯正(インビザラインなど)って痛い? ワイヤー矯正と比べて、どっちが痛いの?

コラム558

「矯正で歯並びを整えたい でも、痛いのはイヤだな…」

 

歯の矯正をお考えになるとき、目立ちやすさと共に気になるのが「矯正中の痛み」ではないでしょうか?

 

現在は、矯正中の痛みの少なさなどの理由で、インビザラインをはじめとするマウスピース矯正が人気を集めています。

 

インビザラインを含め、矯正中の痛みが少ないとされているマウスピース矯正。

 

「マウスピース矯正は矯正中の痛みが少ない」は、本当なのでしょうか?

 

■マウスピース矯正は矯正中の痛みが少ないの?

◎ワイヤー矯正と比べて歯にかける力が弱く・移動量が少ないため、マウスピース矯正は矯正中の痛みが少ないとされています

 

インビザラインを含め、マウスピース矯正では柔軟性のあるマウスピースを歯にかぶせ、歯並びを整えていきます。

 

柔軟性のある薄いマウスピースのため、金属のワイヤーでぎゅっと強く歯を締めるワイヤー矯正と比べて、マウスピース矯正は歯にかける力がマイルドです。

 

歯にかける力がマイルドなことから、ワイヤー矯正と比べた場合、マウスピース矯正は矯正中に感じる痛みが少ないとされています。

 

■矯正中、痛みが生じる理由

◎装置で力をかけるため、矯正方法を問わず、矯正中は歯に違和感や痛みを感じることが多いです

 

ワイヤー矯正と比べて矯正中の痛みが少ないとされる、マウスピース矯正。ただし、マウスピース矯正だからと言って、矯正中、まったく違和感や痛みを感じない訳ではありません。

 

マウスピース矯正、ワイヤー矯正、どちらも、歯科矯正では装置を使って歯に力をかけ、少しずつ歯を動かして歯並びを整えていきます。

 

装置で力をかけるため、矯正方法を問わず、矯正中は歯に違和感や痛みを感じることが多いです。

 

{矯正で歯に違和感や痛みを感じるメカニズム}

 

  1. マウスピースやブラケット装置(ブラケット&ワイヤー)などを歯に装着し、歯に力をかけます

 

  1. 力をかけた方向の歯根膜(歯根を包む靭帯組織)から破骨細胞が分泌され、動かしたい方向の顎の骨が溶け、溶けて空いたスペース分、歯が動きます

 

  1. 力をかけた反対側の歯根膜から造骨細胞が分泌され、歯が動いて空いたスペースを顎の骨が埋めていきます

 

  1. 2と4の破骨&造骨が行われるときには顎の骨の代謝に伴い、炎症物質(プロスタグランジンE2)が分泌されます

 

  1. 炎症物質の分泌により、矯正中は歯を支えている顎の骨に炎症反応が起き、歯に違和感や痛みを感じることがあります

 

◎歯の矯正で痛みを感じやすい場面・時期は?

 

矯正装置の装着に伴い、歯の矯正では、主に以下のような場面・時期において歯に違和感や痛みを感じることがあります。

 

[歯の矯正で痛みを感じやすい場面・時期]

 

  • ・最初に矯正装置を装着したとき
  • ・矯正中、矯正装置を装着しているとき
  • ・矯正中の定期通院でワイヤーを締め直したとき(ワイヤー矯正の場合)

 

■矯正中、痛みが強い場合の対処方法は?ロキソニンなどの痛み止めの服用はOK?

 

◎矯正中、痛みを強く感じるときはやわらかい食べ物、痛み止めの服用、装置の調整などで痛みの緩和にアプローチできます

 

柔軟性のあるマウスピースを用いるため、インビザラインを含めてマウスピース矯正は矯正中にガマンできないほど歯が強く痛むケースはそれほどありません。

 

一方、強い痛みを感じることが比較的多いのは、ワイヤー矯正です。

 

ワイヤー矯正はブラケットに通した金属のワイヤーでぎゅっと強く歯を締めるため、痛みを感じやすいです。ワイヤー矯正では最初に装置をつけたとき、矯正中、矯正中の定期通院でワイヤーを締め直したときなど、様々な場面・時期において強い痛みを感じるケースも。

 

マウスピース矯正ではワイヤー矯正のような強い痛みは起きにくいですが、装置の種類を問わず、矯正治療で強い痛みを感じる場合は、以下のような方法で痛みの緩和にアプローチできます。

 

[矯正中の痛みへの対処方法]

 

・あまり噛まずに済む、やわらかい食べ物を食べる

 

おかゆ・おじや、やわらかい麺類、カレー・シチュー、舌ですり潰せるくらい具材をやわらかく煮込んだ煮込み料理、離乳食など

 

・痛み止めの服用

 

抗炎症作用が少ない、カロナール系などの痛み止めを飲む

 

ロキソニンは注意

 

ロキソニンは炎症を抑える抗炎症作用を持つため、矯正の作用(顎の骨の炎症反応による骨代謝(破骨&造骨))をさまたげてしまうおそれがあります。

 
・装置の調整

 

マウスピースを作り直す、など

 

【痛みなど、矯正中にご不安・ストレスを感じる場合は歯科医師までご相談ください】

 

白山歯科クリニックでは、マウスピースを使った矯正治療を行っております。痛みが少なく続けやすい治療法ですが歯科医師・スタッフが全力で患者様をサポートさせていただきます。

 

矯正中にご不安・ストレスを感じる場合は、遠慮せず、いつでも歯科医師までご相談ください。
 

白山歯科クリニック院長

田賀 紀広