矯正歯科コラム
「歯の矯正は、子どもがするものでしょ?」
「中年以上になって、矯正できるの?」
「矯正の上限年齢は?」
歯科矯正は子どものもの、そんなイメージが世の中にはあるかと思います。しかし、矯正は子どものみの歯科治療ではありません。
中高年以上(40歳以上~ご高齢の方)の方でも、顎の骨の状態が良ければ、何歳でも矯正を行えます。
今回は、「歯科矯正に年齢制限はあるの?」のお話です。
矯正をお考えになるも、中高年以上の方はご自身の年齢を考えたとき、「この年齢で、歯の矯正ができるのかな」とのご心配があるのではないでしょうか?
結論から申しますと、歯科矯正に上限年齢はありません。いくつになっても、顎の骨の状態が良ければ矯正治療を行えます。
上限年齢はない、歯科矯正。上限がないと聞くと、気になるのが下限、つまり、子どもの矯正ではないでしょうか。
上限年齢がないのと同様に、歯科矯正には下限の年齢もありません。0歳の、乳歯が生える前の赤ちゃんから、正しいお口の使い方を身につけるための一環として「食べ方・飲み方に対する意識づけ」などを行い、広い意味での歯科矯正に取り組めます。
≪正しいお口の使い方を身につけるための方法例≫
・お母さんの乳首・哺乳瓶の吸い口は「深くくわえさせる」(赤ちゃんの場合)
・立ったまま、手づかみで食べる(赤ちゃんの場合)
・食材を大きめに切り、前歯~奥歯まで、すべての歯でまんべんなく噛む習慣をつける
・0期(3~5歳頃)・1期(6~9歳頃)に行う小児矯正(咬合誘導)
保護者様のサポートにより0歳の赤ちゃんから始める、ベビーデンタルの要素を含む歯科矯正のほか、小児矯正では、0期(3~5歳頃)・1期(6~9歳頃)に行う咬合誘導も一般的です。
年齢制限は存在しない、歯科矯正。ただし、以下に当てはまる方は、歯科矯正を行えない可能性があります。
中度~重度の歯周病の方は、歯ぐきが下がっていたり、顎の骨が溶けている(顎の骨の吸収)など、歯周組織にダメージがおよんでいます。
歯周組織がダメージを受けている中度~重度の歯周病の方に対し、そのままの状態で歯科矯正を行うと、最悪の場合、歯が抜けたり、歯ぐきがさらに下がる、顎の骨の吸収がさらに進むなど、歯・歯周組織が致命的なダメージを負ってしまうおそれがあります。
骨粗しょう症の治療では、骨の破壊を抑えるためにビスホスホネート製剤というお薬を使うことがあります。
矯正治療(動的治療=通常の矯正治療)では、ワイヤーやマウスピースなどの装置を使って歯に力をかけ、歯を動かします。装置で力をかけることによって顎の骨の破壊(破骨)と造骨の代謝(骨代謝)が起き、少しずつ歯が動いて歯並びが整っていく、これが矯正で歯が動くメカニズムです。
上記の理由により、骨の破壊を抑えるビスホスホネート製剤を使用している方は骨の代謝が阻害されてしまうため、原則として、歯科矯正は行えません。
がんなどで顎の周辺に放射線治療を受けている方は、放射線の影響で顎の骨量が減っている場合があります。また、放射線の影響で骨髄炎が起きやすくなっているケースも。
上記の理由により、がんなどで顎の周辺に放射線治療を受けている方には、原則として、歯科矯正は行えません。
歯科矯正をご検討中の方は、年齢・持病などにより「自分は矯正できるのだろうか」というご心配もあるかと思います。
ご心配も多いかと思いますが、今回、お伝えしたように、顎の骨の状態が良ければ、年齢に関わらず歯科矯正が可能です。
年齢については、むしろ、中高年以上の方(40歳以上~ご高齢の方)にこそ、歯科矯正をオススメします。
加齢によって歯・歯周組織が弱まり始めることが多い中高年以上の方には、歯科矯正で歯並び・噛み合わせを整え、すべての歯でしっかり噛める食生活を、ぜひ、手に入れていただきたいです。綺麗な歯並びを手に入れることで、口元に自信がつき、外食やレジャーなどの場面で積極的になる効果も期待できます。
– 目立ちにくいマウスピース矯正「インビザライン」のご紹介 –
白山歯科クリニックでは、マウスピース矯正「インビザライン」による矯正治療を行っています。
インビザラインは透明で薄いマウスピースを用いるため、目立ちにくい点が特長です。目立ちにくさに加え、痛みが少ない、矯正中にマウスピースを取り外していつもどおりのお食事を楽しめるなど、インビザラインにはたくさんのメリットがあります。
「歯並びの乱れが気になり、手で口元を隠してしまう」
「出っ歯で悩んでいる」
「自分の歯並びがインビザラインで治せるのか知りたい」
など、歯並びの乱れでお悩みの方、インビザライン矯正に関するご質問がある方はお気軽にご相談ください。相談費は無料です。
カウンセリングでは現在の歯並びや顎の状態を確認し、患者様からのお話をすべてお伺いした上で、歯科医師がお1人お1人に合った治療計画をわかりやすく丁寧にご説明いたします。
白山歯科クリニック院長
田賀 紀広